新たなる風

春は人の入れ替わりが激しい季節ですが、
人が入れ替わると新鮮な空気が流れ込んできて、いい刺激になります。
今日は、今年度から加入した修士の学生の発表練習に付き合った。
彼が志願してきたので、私も喜んで応じた。


自分の学年もそうだったが、途中から外部の人が加わると、いろいろと刺激になる。
良いことも悪いことも当たり前だと思っていたことが、そうでなかったと気づかされたり、
何よりも、負けたくないという気持ちが向上心へとつながったように記憶している。


今の私の立場(年齢)になっても、歳相応に感じることがある。
特に、今日彼と話をしていて強く感じたのは、研究室の教育システムが色濃く人間形成に役立っているなということであった。
彼のプレゼンや質疑への受け答え、物事への考え方等を聞いていて非常に感心した。
最初は彼のもっているポテンシャル(性格)なのかなと思っていた。もちろん、それもありそうだが、
それ以上に、慣習として「先輩が後輩をうまく指導する仕組みが研究室に浸透していること」が要因ではないかと感じた。
(研究面において)当たり前のように後輩が分からないことを先輩に聞くことできる雰囲気。
受身の学生が多い。卒業したH君も指摘していたが、確かにうちはそこが弱い。理由はいくつか考えられる。



無論、ウチの研究室も他大学に比べて優れたところはたくさんある。
特に意識の高い学生は飛躍的に能力が向上する研究室であると前から感じている。
逆に言えば、受け身に回ったら伸び率は高が知れている。


要はどんな組織も完璧なんてなくて、常に改善して向上を試みないといけない。
それには既成概念を取っ払って、本質を見据えた行動を積極的にとり、尚且つそれが一時で
終わらないような仕組みを構築する必要がある。書くのは簡単だが、達成するのはなかなか難しい。
昨年、私がいくつか試みた研究室の(表向き上)後輩教育向けのイベントごとがあったが、
「一時で終わらない仕組み作り」という点において大きな欠陥を抱えていたなと思う。
己の勉強にはなった。だが一人で抱え込んだことが、全体にあまり浸透しなかった最大の敗因であったと思う。


こういうことを考えいてると、教育も研究も表裏一体の関係だなと思う。
実に面白い。