星海社新書 世界一退屈な授業
今日駅で電車の待ち時間があったので、コンコースにある本屋へ入りました。
いろいろと、物色してると見慣れないラベルの新書を発見。
「星海社新書?」
一角がこのコーナーになっていたのですが、どの本も
他の新書と比べて本の厚みが薄い。そして、ひときわ目を引いたのがこのキャッチコピー。
次世代による次世代のための武器としての教養
家に帰ってwikipediaで調べてみたら、この新書は2011年9月に刊行されたばかりなんですね。
編集長が「若者はなぜ3年で辞めるのか?」等で有名な柿内さん。
なるほど、なんかセンスあるなと思いました。
インスピレーションで2冊興味がある本があったのですが、試しに今日買ったのがタイトルにもある
「世界一退屈な授業(適菜収)」です。
成果主義や効率化に走りすぎ、おかしくなった日本を再生するために
いまこそ「まともだった頃」の人たちの言葉に耳を傾けるべきではないか。
そこから生きた教養を若者に学んでほしい、思考を変えてほしいというのが
この本、またこの新書の設立の目的のようです。
過去から現代まで変わらない「価値の本質」を扱っています。
・何のために生きるのか
・仕事とは何か?
・お金との付き合い
・何をどう読むべきか
・学ぶとは?
・過去から何を引き継ぎ、何を遺すか。
哲学的ともとれなくない難問にド直球で答えています。
現代の価値観からすれば、古臭く「退屈」かもしれませんが、
実は「世界一大切な授業」という裏の意図が隠されています。
先生として以下の5人の講演が掲載されています。
新渡戸稲造、内村鑑三、福沢諭吉、柳田国男、西田幾多郎。
まだ読み途中なのですが、「内村鑑三」の話に感銘をうけたので、それを紹介します。
講演全体は、内村鑑三の、独特なキリスト教感を説いているですが、
彼の基本スタンスは「生まれた時よりも死ぬときに一つでも世の中を少しでも良くしておきたい」ということです。
そのために彼は「メメント(遺物)」を残せと強く主張しています。
その第一が「金」です。結局すべての問題は、金の問題に通じる。そこには綺麗事は通用しない。確かにそうです。
しかし、この金は私腹肥やすためでも、死蔵とするためでもなく、子供に残すためでもない。
社会のために残す、還元する。そして金を上手に使えと言っています。
しかし、金をためるのも、使うのも才能が必要であるとも彼は言います。
もしその才能がないなら、何をすべきか。そこで登場するのが「土木事業」でした。
「事業」とは、言い方を変えれば金を使う行為。後世に受け継がれ地域に息づく事業。
また、新たな歴史を紡ぎ出す事業。事業は遺る。そこに関われている自分は幸せだなと電車の中で一人感動していました。
ちなみに、読みたいもう一冊は「武器としての決断思考(瀧本哲史)」。
京都大学で行われている人気授業だそうですが、答えのない混迷の時代を生き抜く決断力を
養う教養を身につけいるのがその目的のようです。これも、読んだら感想を書きたいと思います。
他にも多数面白そうな本があります。ぜひ、本屋に寄ったら見てみてください。