大局観?


今週は何かと切羽詰っています。週末が使い物にならなかったのも一因ですが、
今日からHさんが1週間海外出張に行かれたことで、予想通り?後輩や留学生から質問やら
お願いやらが集中してきました。特に午後はいろいろと立て込んできて
自分の研究等に集中してやれる時間は限られていました・・・が、
うまくさばけたのでよかったです。


夕食後には研究指導している後輩とのミーティング。
明日はゼミ発表ということで、発表構想を話してくれました。
毎週1度、私との打ち合わせで、「研究の背景・目的」を
徹底して何度も何度も繰り返し説明する練習をさせてきました。
+α多少強引であることは承知で、実験を強行させることで、
実験に対する意識のハードルを下げさせ、「考察する感覚(データ→解釈のプロセス)」
を教えようとしています。これは彼女の訓練であると当時に、私自身の確認(血肉にするプロセス)の意味もあります。


頑張って理解しようと研究ノートも作って頑張ってくれている成果が少しずつでてきたのか、
論旨に成長の様子が垣間見れて非常に嬉しかったです。
まだまだ言いたいことはありましたが、それでも嬉しいものは嬉しい。



帰りの電車1時間も貴重な勉強の時間です。
電車のなかで、1時間Powersのランドマーク論文を読みました。
このシリーズは2年ほど前に読んだのですが、当時は本当にチンプンカンプンでした。
イギリス人が書く英語が根本的に難しいというのがひとつと、あとはやっぱり英文だと日本文以上に
”わからないことが気になって”細部に入り込んで、結局何が言いたいのかわからないという
悪循環に陥っていたのが主たる原因に思います。
今日は混んでいる車内ということで当たり前ですが、辞書もまともに引けませんから、
細かいところよりも全体を俯瞰的に見ようと心がけて読みました。そうすると面白いもので、
大して時間もかからずに、文章がスッと頭に入ってきます。知識の向上もあるでしょうが、
2年前とは受ける印象が全く違いました。


もちろん、私はまだまだ甘いところだらけですが、
全体を俯瞰的に見る感覚が少しずつ養われてきたかなと感じます。
雑多(といっても程度は高が知れていますが)な状況の中で今何が問題で、それを解決するにはどこに着目して
どういう選択がこの状況でベターなのかが、前よりもわかる気がする。

それが、いろいろなところに現れ始めているのを感じます。
これが羽生さん(将棋)のいう大局観というやつなのかな?
なんだかとても不思議な感覚です。