放置と放任 〜研究医の注射〜


今日は2週間に一度くらいのペースになっている、研究打ち合わせの日でした。私に加え、後輩も1人先生と打ち合わせをしました。
今日は打ち合わせ中、だいぶ頭を使ったので終わったあとかなり疲弊していました。
でも、いい打ち合わせになってよかったなと個人的には思っていました。


自分のことはもちろんですが、後輩2人の指導は本当に勉強になります。今まで以上にいろいろなところに注意する必要性を感じています。
研究を始めた当初から、彼らには研究の「背景・目的」を強く意識するようにということを繰り返し主張してきました。
事あるごとに、口頭で言わせ、書いて表現させてきました。そういう指導を繰り返してきたので、一昔前よりも
研究のプロローグはだいぶ良くなってきたかなぁという印象で聞いていました。
ただ、全体的に弱いと先生に指摘されたのは「ニーズ」が強く意識できていないことでした。
言い方を変えれば、上っ面がわかってきても、何がわかると、どう役立つのか。ビジョンが明確でないとでもいいましょうか。
そこがわかっていないので、どういう点に着目して研究を進めれば良いのか。具体的に進められないのだと思いました。


これは私にも責任があって、3人の研究フレームを明確に打ち出していないことも一つの原因かなと思いました。
話し言葉では、伝えているつもりですが、しっかりと明文化(体系化)していませんでした。
理由はたぶん2つあって、一つは依然として自分の中にある迷いの表れ。もう一つは、どこまでハッキリ打ち出して良いものかという迷いでした。
ただ、今日の打ち合わせをしてみて、次回の自分のゼミ発表の際には、きっちりと体系的に研究フレームを示そうと思いました。


研究に係わるすべての事柄に関して、とにかく私が彼らとの関係で意識しているのは、彼らの思考力・決断力の養成です。
これは私が気づかぬ間に訓練されてきた(されている)事だと、今は感じます。
その場の長である私は、彼らが意見、提案、疑問等を素直に提示できるよに場を整えてあげる。
それらを受け、私自身からも、その他の可能性を客観的に示す。
出揃ったところで、彼らにケーススタディをさせ、最終的には彼ら自身に決断・実行させる。
放置ではなく、バランスを保ちながら放任の立場をとる。ただニーズのところに関しては、
どちらかというと情報不足で放置になりかけていたのだと思います。


こうしたやりかたは、揺るぎない信頼関係を築くことが一番だと思うので、
今日は先生とのミーティング後、こうした一連の経緯(感じたこと)を話し、自身の未熟さ彼らに素直にさらすことで、
一緒に議論しようという姿勢を強調しました。そうしたら「研修医の注射と同じですね」といわれました。たしかに(笑)


今後は少し、どうやったら彼らが実行出来るかを考えて、そちらの方に重きをシフトさせようと思います。