研究の流儀

今日は指導教員に誘っていただき、コンクリート工学会の委員会活動に
オブザーバーとして参加させていただいた。これまでに偉大な功績を残されてきた
先生や技術者の方々に,物事の考え方,哲学,裏話等をインタビュー形式でお伺いして,
アーカイブとして残すようだ。今回は,私の研究でも活用させていただいている
某解析ソフトの生みの親,T大のM教授だった。間違いなく,世界ナンバーワンの研究者である。


とにかく,一つ一つのエピソードが面白くて,重みがあって,
あっという間に制限時間の2時間が過ぎた感じだった。
最後は感銘を受けすぎて、感動で涙が出てくるし、
インタビュー終了後は,撃たれまくったボクサーのように立ち上がる気力が起きなかった。
ものすごくいい映画を見た後のエンドロールの時のような感覚に似ていた。
たぶん、これを読み物として読んでもここまでの感動は得られないと思う。


出てきたキーワードやエピソードは,指導教員(T大コンクリート研の門下生)からもよく
伝え聞いていることだったが、若いころから現在まで、流れの中でまとめ聞きできたのは貴重な経験だった。


いろいろありすぎてまとめようがないのだが、私が一番印象にのこったことをここにメモ書きしたいと思う。
たしかにM教授はすごい、私が2,3回人生をやり直しても到底まねできない功績を残されている。
ただ世界のM教授といえど、一人の力による空から降ってわいたような、お告げがあるのではなく、
いろんな人、環境に影響を受け、自分にとってなじみのあるところからしか新たな着想(イノベーション)は
生まれてこないと言い切られていたのが、なんとも嬉しくて心強かった。
要は私のような凡人でも、考え方や姿勢を間違えなければ研究はできるという風にプラスに考えられたからだ。
とにかく、見聞をひろめ、多くの人と語らい、ニーズを嗅ぎわける。


私はT大の直属の門下生ではない。でも、T大の門下生で、いろいろな流派の影響を受けた、
今の指導教員に指導していただき、さらにはそのつながりで、最前線で活躍されている優秀な先生方、
技術者の方たちとも懇意にしてもらっている。
そのうえ周りには横浜国大で、実務を中心とした最前線で、非常に活躍されている先輩方が大勢いる。
こんなに幸せな、いいとこどりの環境はないだろうなと、M教授の話を聞いて、めぐりあわせに感謝した結果が、
あの感動につながったのだと思う。


明日から2泊3日の若手のセミナー(@金沢)も楽しみになってきた。